【エヴァ】なぜ人類補完計画は破綻したのか?徹底考察

なぜ人類補完計画は破綻したのか

セカンドインパクト

「S²機関(スーパーソレノイド機関)」という理論が、葛城博士によって提唱されました。

これは簡単に言えば永久機関のことです。世界はDNAと同じ形をした螺旋から出来ており、S²機関理論は、この螺旋=無尽蔵のエネルギーを得ようとするものでした。

2000年、このS²機関が使徒の「生命の実」ではないかと考えていたゼーレは、葛城博士に資金提供を行い、南極で調査を行わせます。そして、「葛城調査隊」は、南極の地底で眠りについていたアダムとその保安装置である、「ロンギヌスの槍」を発見します。(「ロンギヌスの槍」は死海で見つかったという説もあります。)このロンギヌスの槍は意思を持った生命体であり、自らの意思で移動、変形が可能です。ロンギヌスの槍は、第一始祖民族が始原の存在と共に月で送り出したものであり、始原の存在が彼らの意に沿わない時の対策として用意していたものでした。

この槍は、「始原の存在」を停止させることが可能で、「始原の存在」が神(第一始祖民族)に及ばない理由でもあります。

葛城調査隊による調査の全容は定かではないですが、その目的は、他の使途が目覚める前に、アダムを卵へと還元し、被害を最小限に食い止めるためであったとされています。

その計画の中に、ロンギヌスの槍を使い、アダムのA.T.フィールドを中和させ、提供者(人間)の遺伝子をアダムにダイブさせることで、アダムと提供者の物理的融合を行うものが含まれていました。

しかし、その実験中にアダムが目覚めてしまいます。眠りから覚めたアダムは、地球上の全ての生命のA.T.フィールドを侵食する、巨大なアンチA.T.フィールドを展開し、全生命体のリセットを始めました。

葛城調査隊は、「ロンギヌスの槍」を使い、アダムを再封印しようと試みますが、アダムは歩き出してしまいます。

「裏死海文書」から情報を得ていた調査隊は、使徒の魂が入っている「ガフの部屋」の存在を知っていました。そして、その部屋へと続く、「ガフの扉」が開くと同時に、熱滅却処理を行い、内部の使徒の魂を消滅させ、今後、使徒が生まれないようにしました。(リリスにも同様の「ガフの扉」と「ガフの部屋」があり、人の魂はそこに還ることになっています)

熱滅却処理には成功したものの、調査隊はアダムの活動を停止することはできず、アダムはアンチA.T.フィールドの展開を始めます。しかし、まさにその瞬間、アダムは急に爆発し、アダムの肉体はバラバラに飛び散ってしまいました。人類滅亡は食い止めることができたものの、葛城調査隊は全滅。(同行していた葛城博士の娘は生存)南極は深紅に染まり、塩の塔が並ぶ、一切の生命が生存できない死の海となりました。

実は、このアダムの爆発は、事前にアダムのS²機関に仕掛けられた起爆装置によるものであり、ゼーレが葛城調査隊には秘密裏に設置したものでした。葛城調査隊のアダムに関する資料は、事故の前日に、既にゼーレのメンバーとなっていた六分儀ゲンドウによって運び出されています。

アダムの肉体はバラバラになってしまいましたが、その魂はゼーレにより回収、受肉され、「渚カヲル」として生まれています。渚カヲルの生年月日がセカンドインパクトと同日なのはこのためです。

このアダムの爆発(セカンドインパクト)は、巨大な隕石落下によるものとして世間に公表されました。もちろん、これはゼーレによる情報操作であり、既に述べたように、真実とは違います。

セカンドインパクトによる被害は、南極だけで収まりませんでした。南極大陸上の氷の融解により、海抜は数十メートル上昇し、多くの都市が水没。同時に起こった津波は、被害をさらに甚大なものとしました。

さらに、爆発のエネルギーによって地軸はねじ曲がり、干ばつ、洪水、噴火や異常気象などを次々と引き起こし、世界規模の食糧難と大量の難民を、各地に生みだしました。全世界で、20億人以上が死亡したとされています。

被害は災害だけでは収まらず、数々の戦争が引き起こされました。インド・パキスタン国境の難民同士の紛争を契機に、中国・ベトナムによる領土紛争が勃発、国家間の大規模な戦争が、次々に発生しました。

その世界規模の紛争や戦争は2001年2月14日の「バレンタイン休戦臨時条約」による国連の再編が行われるまで続きました。

日本も甚大な被害を受けています。2000年9月20日に東京に投下された新型爆弾の衝撃と海面上昇により、首都東京を含む首都圏の都市は壊滅。50万人が死亡しました。さらに、異常気象によって四季を失い、一年中、夏が続き、食糧難など様々な問題が引き起こされました。

葛城博士の娘である葛城ミサトは、セカンドインパクトによる父の死によるショックから、この日を境に数年間、失語症になってしまいます。

ミサトは家庭を顧みない父を嫌い、母を泣かせる父を憎んでさえいましたが、事故に際し、父が自らを犠牲にしてミサトを守ったことで、ミサトの心の中に強い葛藤が生まれます。父を失う直前に父の愛を知った彼女は、一生、父への愛の渇望に苦しめられることになります。

ゲヒルン(Gehirn)

ゼーレは、アダム、及び、ロンギヌスの槍の発見と、セカンドインパクトを目の当たりにしたことで、予言書が真実であることを確信し、使徒のせん滅と不老不死への計画をさらに推進させます。そして、それらの計画を推し進める機関として、「人類補完委員会」と「ゲヒルン」を創設します。

「人類補完委員会」は国連に設置された小委員会ですが、自前の研究機関(人工進化研究所)を持ちます。「人工進化研究所」は、アダムの破片を手に入れたことで、ゼーレの介入を受け、組織体系を強化、表向きの国連傘下の研究所という体裁を保ちながら、実質上のゼーレ直轄下部組織、「秘密組織ゲヒルン」として、内部は作り変えられ、所長には情報操作・隠蔽工作を得意とする、六分儀ゲンドウが着任しています。

「人類補完委員会」のメンバーは、議長のキール・ローレンツ、米・英・独・仏・露の代表者と六分儀ゲンドウから構成されています。委員会の目的はゲヒルンの計画実行に必要な予算を確保することです。前述したように、キール・ローレンツはゼーレの中心的人物でもあり、人類補完委員会は、ゼーレが国連の予算を直接、自らの計画に利用するために作られました。

Gehirnとは、ドイツ語で「脳」を意味しており、その名の通り、「魂」であるゼーレの目的を実現することを目的としています。その活動として、リリス及び黒き月の発見、人類限界説の流布、使徒との生存戦争を想定した、国連主導の世界構築を進めていきました。そして、最終目的としての、「アダム計画」、「E計画」、「人類補完計画」に着手します。

「アダム計画」とは、人口進化研究所が持つアダムの破片から、アダムを再生させる計画です。

「E計画」とは、裏死海文書で予言された、使徒達による侵攻に対抗するため、アダムの細胞からクローン再生させた人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオンを開発することでした。

前述したように、使徒はA.T.フィールドを自らの肉体を維持するためだけでなく、防壁や攻撃として使うことが可能です。特に、A.T.フィールドによる防壁は、絶対的な物理防壁であり、人の持つ通常兵器では傷一つ付けることができないほど強力とされています。そのため、使徒に対抗するためには、使徒と同じように、A.T.フィールドを防壁に使うことが可能で、同時に、使徒のA.T.フィールドを中和、あるいは、侵食が可能な兵器が必要であり、その兵器こそが、エヴァンゲリオンです。

旧約聖書には「主はアダムから、あばら骨の一つを取り、イヴを作られた」とあります。人は聖書に従い、アダムからエヴァを作ることを決めました。ただし、目的はアダムの子供達をせん滅するためです。

旧約聖書において、アダムとイブは有名です。では、リリンの始祖、リリスとは何なのでしょうか。創世記の解釈の一つとして、リリスとは神が始めに作った「女」であるとするものがあります。前述した、神がアダムのあばら骨からイヴを作る話は創世記の2章の内容です。

しかし、それよりも前に記されている1章27説で、「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女にかたどって創造された」とあります。つまり、自然に読めば、イヴよりも前に「女」は生まれていることになります。

中世に作られた聖書解釈書「ベン・シラのアルファベット」によれば、リリスはアダムと同じように神によって作られ、アダムの最初の伴侶になる予定でした。しかし、リリスは、アダムの体の一部から作られたイヴとは違い、アダムと同じように神に作られた存在です。そのため、リリスは、アダムと対等であることを要求しました。リリスはアダムと口論の末、アダムの元を離れます。そして、リリスはアダムの子供たちを殺すことを誓います。伝承では、リリンはリリスが魔王サタンとの間に儲けた悪魔の子達とされています。

つまり、これら解釈が正しいと仮定すれば、リリスの意思を持ったリリンと、アダムの子供達である使徒との戦争はすでに聖書によって予言されていたことと言えます。

話をエヴァンゲリオンに戻しましょう。

アダムから作られたエヴァは、使徒と共通する点が多いですが、2つの重要な差異がありました。まず第一に、エヴァにはS²機関がありませんでした。

S²機関がないため、エヴァには活動限界があり、外部からの電力供給がないと基本的にはすぐに停止してしまいます。そのため、エヴァに電力を供給するための電線(アンビリカルケーブル=へその緒)やポータブルバッテリー、それらを有効に活用し、様々なエヴァの戦闘を補助するための使徒迎撃専用要塞都市「第3新東京市」の建造が計画され、2005年から建設がスタートしています。

第3新東京市は、リリスが眠る黒き月の真上に建造されています。使徒がリリスを目指して侵攻してくることが予測されているためです。

エヴァと使徒の二つ目の差異は、エヴァには魂がないことです。魂がない理由は、葛城調査隊によって、アダムの「ガフの部屋」が熱滅却処理されているために、セカンドインパクト以降、アダムベースの生命には新たな魂が宿らないためと考えられています。(あるいは、ガフの部屋は処理前に、既にからっぽであった。)

結果、エヴァは基本的に自由意思を持たず、自らの意思で稼働することは不可能であり、エヴァを操作するためのパイロットが必要となりました。つまり、人間がエヴァに乗り込み、直接、エヴァを操作するということです。

エヴァはまず始めにプロトタイプである零号機、続いて、テストタイプである初号機、そして、先行量産型である弐号機の開発がそれぞれ進められました。エヴァはアダムのクローンであると述べましたが、初号機のみはアダムではなく、リリスをベースにクローン再生されています。(零号機もリリスであるという説もあり)

ここで注意しておきたいのが、エヴァは使徒せん滅だけを目的として作られたわけではないということです。エヴァはアダム、リリス、ロンギヌスの槍と共に、ゼーレの最終目的である人類補完計画に必要なマテリアルの一つに数えられています。

そのため、ゼーレはこれ以降、使徒にはエヴァしか対抗できないという情報操作を各政府関係者に対して行い、世界中からエヴァシリーズ(全12体)の建造に必要な資金を集めさせています。なぜ12体もエヴァが必要になるのかと言えば、リリスを中心として、その周囲に、エヴァシリーズで六芒星を形作るのに必要な数だからとされています。

人類補完計画については、後で詳しく説明します。

2002年、冬月コウゾウは兼ねてから、セカンドインパクトの原因が隕石の衝突であるという各国政府の公表を疑っており、その背後にはゼーレ、六分儀ゲンドウ、そして、碇ユイがいることを既に突き留めていました。そして、それを明らかにするため、この年、セカンドインパクトの原因を探る南極調査隊に参加しています。冬月は、ゼーレから監視役として南極調査隊に派遣されていた六分儀ゲンドウに調査船上で再会し、ゲンドウが現在は碇の性を名乗っていること、碇夫妻の間に長男シンジが誕生したことを聞かされます。

2003年、冬月は箱根にある人工進化研究所所長室で、所長の碇ゲンドウに会っています。そして、自身が集めたセカンドインパクトに関する物的証拠を碇ゲンドウに突きつけました。冬月は白い巨人(アダム)についての情報もすでに入手しており、セカンドインパクトがゼーレや碇ゲンドウによって人為的に引き起こされたという、ゼーレに近い政府関係者でさえ知らない事実も知っていました。そして、ゼーレの陰謀と裏死海文書を公表することを碇ゲンドウに伝えました。

ゲンドウは冬月がここまで事実に迫っていることに驚きます。そして、冬月の形而上生物学者としての能力も評価し、冬月を計画に引き込もうとします。

ゲンドウは、冬月にジオフロント、エヴァ零号機を開示します。そして、冬月が好意を寄せていた碇ユイの説得や、研究者としての好奇心も手伝って、冬月はゲヒルンに参加することになりました。半ば、強引に計画に参加させられた冬月でしたが、後に、このことを後悔し続けます。

2003年、ゲヒルンの主要メンバーには、碇ユイ、碇ゲンドウ、冬月コウゾウ、赤木ナオコ(赤木リツコの母)がいました。赤木ナオコは、生体コンピュータの権威であり、後にネルフ作戦本部施設の運用やエヴァの操縦にも使われることになる、人格が移植された第7世代有機コンピュータ「MAGI」を完成させることになります。

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9 Thoughts to “【エヴァ】なぜ人類補完計画は破綻したのか?徹底考察”

  1. John Smith

    異議申し立てしたら動画戻るんじゃないですか?偽名義での攻撃なのでは

    1. unknown

      返信遅くなり、ごめんなさい。その可能性もありますね。
      次はしっかり武装して、消されたときは異議申し立てしたいと思いますw

  2. John Smith

    異議申し立てしたら動画戻ったりしないのですか?私はこの動画がとても好きでした。今削除されているのはとても残念です

  3. 日向

    以前、作成された動画を拝聴しとてもわかりやすかったので
    もう一度見たいなと思ったのですがYouTubeから削除されてしまったようです。
    もう一度youtubeにあげることが難しければ、ニコニコ動画に上げ直して頂いて
    リンクを修正して頂けないでしょうか?

    お忙しいところ、お手数おかけしますが素晴らしい動画だったので
    再び見れる事を楽しみにしています。

    1. unknown

      返信、遅くなりすみません。
      新しいエヴァ動画を作り直そうと思います。すこし時間がかかると思いますが、よろしければ、そちらを見てもらえると嬉しいです。

      1. mado

        新しいエヴァの動画、待ってます

        1. unknown

          ありがとうございます!

  4. aki

    サラさんは精神分析学を深く理解されているように、この考察を見ると思えますが、その道の勉強はやはり大学などでなさっているのでしょうか?それたまある程度は、独学でも行える範囲なのでしょうか?

    1. unknown

      私の大学での専攻は、経営管理でした。心理学は趣味で図書館の本を借りて勉強しています。
      私の知識は、ぜんぜん深くないですよ。心理学を勉強されている方が私の動画を見たら、ツッコミどころ満載と思いますw