【エヴァ】5章 エヴァンゲリオンとは何か

セカンドインパクトの真相やゼーレの陰謀を追うという形で、その先にいる碇ユイを追っていました。

冬月「その裏にはSEELE、そして、キールと言う人物が見え隠れしていた。私は、あの事件の闇の真相を知りたくなった。」
冬月:「その先に、たとえ碇ユイの名があろうとも。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

フロイトの精神分析では、人が無意識下に抑圧している性的欲望や記憶が、様々な神経症を引き起こし、同時に、抑圧している性的衝動によって、人は無意識に行動させられていると考えます。この時点で、冬月はセカンドインパクトの事故の裏に、ゼーレの意図があったことを調べており、翌年、冬月は箱根にある人工進化研究所所長室で、所長の碇ゲンドウを詰問し、セカンドインパクトの真相やゼーレについて、世間に公表すると迫ります。

冬月「セカンドインパクトの裏に潜む、君たちSEELEと、死海文書を公表させてもらう。あれを起こした人間たちを、許すつもりはない!」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

ゲンドウは、問い詰める冬月をいなしながら、ジオフロントと試作中のエヴァ零号機を公開し、ゲヒルンに勧誘、冬月はそれを承諾します。

ゲンドウ「われわれのアダム再生計画、通称E計画の雛形たる、EVA零号機だよ。」
冬月「神のプロトタイプか。」
ゲンドウ「冬月。俺と一緒に人類の新たな歴史を作らないか。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

本来なら、社会的正義のために行動していた冬月が、ゲヒルンに参加するという結果は不思議ですが、そこには2つの理由があったと考えられます。一つ目の理由は、使徒襲来とサードインパクトを阻止するという点では、ゼーレの計画に賛同できたこと、そして、二つ目の理由は、先ほど述べたように、碇ユイの存在です。碇ユイが所属しているゲヒルンへの参加は、冬月が無意識に望んでいたことでもありました。また、単にユイへの想いだけでなく、冬月は碇ユイの箱舟計画に賛同していたと考えられます。

ユイ「最後の悲劇を起こさないための組織。それがゼーレとゲヒルンですわ」
冬月「私は君の考えに賛同する。ゼーレではないよ」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

全てのエヴァ作品において、冬月は、ゼーレや碇ゲンドウではなく、常に、碇ユイの目的を目指しています。

冬月「後は良しなにしたまえ、イスカリオテのマリア君」
マリ「超久しぶりに聞いたなその名前。では、おさらばです」
冬月「ユイ君。これでいいんだな」
シン・エヴァンゲリオン劇場版より引用

冬月とユイは、ゼーレのように、リリスに還り、神と一つになって、永遠に生きることや、

ゼーレ:神もヒトもすべての生命が「死」を以って、やがて一つになる為に。
新世紀エヴァンゲリオンより引用

ゲンドウのように、アダムとリリスの融合によって、新たな生命として生まれ変わることも望んでいません。

ゲンドウ「人は新たな世界へ進むべきなのです。そのためのEVAシリーズです。」
ゲンドウ「死は何も生みませんよ。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

苦しみながらも、人として生きていくことを望んでいます。碇ユイの箱舟計画については、次章で説明します。

冬月「人は生きていこうとする所にその存在がある。それが自らEVAに残った彼女の願いだからな。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

ここまで、冬月は碇ユイへの想いを深層心理に”抑圧”し、”無意識”に碇ユイを追っていたと説明しましたが、これは庵野氏の作品に頻繁に登場する”フロイトの精神分析”に沿って解説したものです。心理学的には、「認知的不協和」という理論で説明したほうが適切でしょう。認知的不協和の例としては「すっぱいブドウ」が有名です。あるキツネが熟れた美味しそうなブドウを取ろうとしますが、木が高くて取れませんでした。甘い葡萄が食べたいという気持ちと、葡萄を取れないという事実には不協和があります。つまり、葡萄が取れないために、悔しい気持ちが湧いてしまいます。そこでキツネは、あのブドウは甘くないと考え、不協和を解消し、悔しい気持ちを回避します。私たちは社会生活の至る所でこの認知的不協和を経験します。潔癖主義の冬月は、

Related posts

Leave a Comment