【エヴァ】6章 碇ユイの箱舟計画とは

後に赤木ナオコは、この日を境にゲンドウは豹変してしまったと、語っています。

ナオコ「リッちゃん、この日を境に碇所長は変わったわ。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

仲間であるはずのゲヒルンのメンバーに対しても、憮然とした態度を取り、誰にも気を許すことはなくなり、目的遂行のみに集中し、世界を自分の為に利用します。

ゲンドウ「憮然としていればいい。いつものように。それだけが、唯一私を守る・・・」
新世紀エヴァンゲリオン2より引用

その過程で、ゲンドウは息子であるシンジに対しても心を閉ざし、シンジは父を恐れ、父だけでなく、他者を避けるようになってしまいます。

碇シンジの苦難

碇ユイはシンジを守るために初号機と同化しましたが、残されたシンジには辛い現実が待っていました。母の事故を見ていたシンジはショックにより、あるいは、幼児期健忘により、事故の記憶を喪失してしまいます。ヒトは一般に三歳以前の出来事を覚えていませんが、これを幼児期健忘と呼びます。(新劇場版では、消されている)碇ユイは実験前に「この子には明るい未来を見せておきたいんです。」と発言していますが、これはシンジに、サードインパクトを耐え抜く、箱舟であるエヴァを見せておきたかったという意味だと考えられます。

ユイ「ごめんなさい冬月先生、私が連れてきたんです。」
冬月「ユイ君。今日は君の実験なんだぞ。」
ユイ「だからなんです。この子には明るい未来を見せておきたいんです。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

そして、自分が初号機と融合するところを見せておくことで、母は死んでおらず、エヴァの中で生きており、シンジと再会できることを伝えたかったのではないでしょうか。しかし、冬月は碇ユイの意志をゲンドウにも、シンジにも伝えていません。そして、ゲンドウもシンジを拒絶してしまったため、シンジはその事実を知らないまま、マスメディアの報道を鵜呑みにして、母は事故によって間接的にゲンドウに殺されたと認識してしまいます。

シンジ「敵、テキ、てき、敵、僕の敵!僕の敵!畜生、チクショウ、ちくしょう、よくもトウジを傷つけ、母さんを殺したな!父さん!」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

母の記憶を失ってしまったシンジは、「フロイトの精神分析」的に説明すれば、口唇期に固着したまま、エディプスコンプレックスを克服できていない状態にあると言えます。つまり、母という心の基地を持たないシンジは何事にも臆病になり、ミサトやアスカのような庇護者に甘え、母を奪った父ゲンドウに敵意を持ちつつ、一方で、父に認めてほしいというアンビバレント(二律背反)な状態にあります。エヴァの物語はシンジのエディプスコンプレックスの克服でもありますので、シンジの心の成長も次章から追っていきたいと思います。

庵野 そうです。父親を殺して母親を犯すというエディプス・コンプレックスの話ですけれど、僕もこれをスタートする時同じだなと思った。シンジが父親を殺して、母親を寝取る話ですから。
スキゾ・エヴァンゲリオン 庵野秀明より引用

惣流・アスカ・ラングレーの苦難

シンジ同様、アスカも母の接触実験により、心に大きな傷を負います。事故以前から、父親はアスカに関心が薄く、アスカを「見てくれていた」のは、母キョウコだけでした。しかし、アスカを愛する部分はエヴァと融合してしまったため、

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