【エヴァ】6章 碇ユイの箱舟計画とは

エヴァの体外に残されたキョウコは、アスカを認識することができず、アスカをネグレクトし続けます。3歳のアスカは、なぜ母が自分を愛してくれなくなったのか、理解できません。そして、自分に問題があると考え、自分を責め続けます。

アスカ「止めてママ!ママを辞めるのは止めて!私、ママに好かれるいい子になる!だから、ママを辞めないで!だから私を見て!止めてママ!私を殺さないで!」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

この年齢の子供は客観的に物事を判断する認知力が未熟であるため、周囲の出来事はすべて自分が原因であると考える「自己中心性」が高い傾向にあります。例えば、幼児期に親が離婚や死別した場合には、親がいなくなってしまったのは自分に原因があると考えてしまうことがあり、心のケアが必要になります。しかし、アスカの父親は不倫相手に夢中であり、父親以外にも、アスカのことを気にかけてくれる大人はいません。

女「あの子、苦手なんです。」
女「あなたはあの子の父親を辞められないけれど、私はいつでもあの子の母親を辞めることができますのよ。」
アスカの父「それはそうだな。」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

なぜ母が自分に興味がなくなったのかがわからず、母に自分を見てほしいと泣き続けるしかなかったアスカでしたが、転機が訪れます。事故の翌年、エヴァパイロットにアスカが選出されました。

セカンド・チルドレン:非公開情報
母親のエヴァとの接触実験後ほどなく、マルドゥック機関より、アスカは弐号機パイロットとして選出される。
新世紀エヴァンゲリオン2より引用

実際には、キョウコの魂が弐号機のコアに宿った時点で、アスカが弐号機のパイロットになることはほぼ確定していましたが、アスカは自分がパイロットに選ばれたことで、キョウコに褒めてもらえると喜びます。そして、昔のように自分を愛してくれるようになると期待し、歓喜しながら母のもとに走ります。

アスカ「ママーッ!ママッ!私、選ばれたの!人類を守る、エリートパイロットなのよ!世界一なのよ!
誰にも秘密なの!でも、ママにだけ教えるわね!いろんな人が親切にしてくれるわ。だから、寂しくなんかないの!だから見て!私を見て!」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

しかし、そこでアスカは首を吊った母親の第一発見者になってしまいます。

アスカ「あの時、ママが天井からぶら下がってたの。その顔は、とても嬉しそうに見えたわ。でも、私はその顔がとても嫌だったの。死ぬのは嫌。自分が消えてしまうのも嫌。男の子も嫌!パパもママも嫌!みんな嫌なの!」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

自殺という最悪のネグレクトを受けたアスカは、もう母には愛されないことを悟り、甘えたい気持ちを心の奥に抑圧し、誰にも助を求めず、一人で生きることを覚悟します。

アスカ「誰にも頼らない」
アスカ「一人で生きていけるの」
幼いアスカ「嘘ばっかり」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

しかし、彼女の心を搔き立てているのは、前向きな意思ではありません。一人で生きるという表面上の決意とは裏腹に、少女の心は、「私を見てほしい」という欲求と「人に必要とされなければ、また捨てられてしまう」という、恐怖によって縛られています。

アスカ「だから私を見て!」
アスカ「誰も私のこと護ってくれないの。一緒にいてくれないの。だから、一人で生きるの。でも、嫌なの!辛いの!一人は嫌、一人はイヤ、一人はイヤ!」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

表面的には、自己中心的に見える彼女は、実際には、常に他者に縛られている状態であり、自己の中心には他者がいます。そして、ありのままの自分に自信が持てないため、常に他者に対して競争的になり、「敵意」が生まれます。しかし、このアスカの敵意は、本当は他者に向けられたものではなく、「優れてなくては捨てられる」という自分の中にある恐怖に向けられているものと言えます。

かつてのナンバーワン自論は、裏を返せば自身のなさの表れだ。相変わらず口は悪いが、他人に厳しい彼女は自分に一番厳しい。”任務でも普段の生活でも手を抜かない”
山下 いくと; 柏原 康雄. エヴァンゲリオン ANIMA 1より引用

シンジやアスカのパーソナリティについては、別の章で詳しく述べたいと思います。

終わりに

次章では、ゼーレの補完計画について、詳しくお話ししたいと思います。いつものことながら、間違いも多いと思いますので、コメント欄でお教えいただければ嬉しいです。また、気に入っていただけましたら、共有やコメントしていただけると励みになります。れではまた次章でお会いしましょう。

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