【エヴァ】9章 碇シンジはなぜ他者を回避するのか

碇シンジはなぜ他者を回避するのか

反論せずに、ただ謝り、いい子のふりをするようになります。

シンジ「ごめんなさい。おばさん。もうケンカしません。ごめんなさい。ぼく、いい子にします。」
新世紀エヴァンゲリオン 13巻 漫画/貞本義行 原作/GAINAX より引用

この行動が、シンジから自主性や自尊心を失わせ、シンジは他者を回避するようになります。

シンジ「何もかもイヤで、無気力で、どうでもよくて、そのくせ表面上は素直でいい子を装ってしまう。僕は・・・今まで、生きてるふりをしてただけなのかもしれない。」
新世紀エヴァンゲリオン 3巻 漫画/貞本義行 原作/GAINAX より引用

この孤独な環境では、実の父親であるゲンドウだけが、シンジの心の支えでした。シンジは、父親は仕事で忙しいため、自分は仕方なく養父母のもとに預けられていると思っていました。しかし、そのシンジの思いは打ち砕かれます。ある時、シンジはゴミ捨て場に廃棄されていた自転車を見つけ、それを持って帰ろうとしましたが、警官に止められ、窃盗容疑で連行されてしまいます。シンジは保護者の記入欄にゲンドウの名前を書けば、ゲンドウに会えるかもしれないと思い、父親の名前を書きますが、ゲンドウは現れませんでした。

警察官「保護者の名前は?」
シンジ「碇ゲンドウです。」
(略)
シンジ「父さん、こんな時でも迎えに来てくれないんだね。母さん、
もし母さんが生きてたら、迎えに来てくれた・・・?」
新世紀エヴァンゲリオン 3巻
漫画/貞本義行 原作/GAINAX より引用

このような状況でも、父が自分を気にかけてくれないことを知り、少しずつ、ゲンドウにも心を閉ざしていきます。

ここまでは漫画版の生活環境を見てきましたが、アニメ版でもシンジは、「いいんです。一人のほうが。どこでも同じですから」と発言しており、アニメ版のシンジも孤独な生活をしていたと考えられます。

ミサト「それでいいの?シンジ君?」
シンジ「いいんです。一人のほうが。どこでも同じですから。」
ミサト「…」
新世紀エヴァンゲリオンより引用

シンジはゲンドウに心を閉ざしていると述べましたが、ゲンドウに認められたい、愛されたいという感情を心の奥に持ち続けています。

シンジ「嫌いなんだ。なんで、あんなヤツが父親なんだろうって思うくらい。でも、本当は嫌いたくない。たぶん僕は心のどこかでそう思ってるんだ。」
新世紀エヴァンゲリオン 3巻 漫画/貞本義行 原作/GAINAX より引用

しかし、ゲンドウは自分に興味がなく、愛されていないとも思っているため、自分の心を守るために、ゲンドウは敵だという感情を作り上げています。

そして、マスメディアや周囲のうわさを鵜呑みにし、ゲンドウは母親を殺した敵だと思っています。

加持「母さんが死んだのは、父さんの事件によるものだと、君は・・・そう思っているんだろう」
新世紀エヴァンゲリオン2より引用

しかし、シンジはゲンドウがユイを殺すはずがないことを知っています。シンジはユイの接触実験を見ており、両親が仲が良かったことも知っているためです。

シンジ「父さんの実験の被験者にされて、そして死んだって・・・」
加持「そう人から聞いたのか?いや君はその目で見ているはずだ。お母さんが消えるその瞬間を。君はつらいことを無意識に記憶から締め出しているだけだ。」
シンジ「そうだ。僕は知っていた・・・。僕はエヴァを知っていた・・・!?」
新世紀エヴァンゲリオン 5巻 漫画/貞本義行 原作/GAINAX より引用

ただ、母親が自分を置いて消えてしまったショックから、その記憶を無意識に抑圧してしまっているため、

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